これで息も気にならない!?にんにく臭の原因と効果的なニオイ消し対策
中華料理やイタリア料理にはもちろん、ラーメンにもすりおろして一緒に食べると美味しさが倍増する「にんにく」。滋養強壮や健康維持に高い効果があるとされ、昔から元気になる食材として愛され続けています。健康食品でカプセルになっている商品も販売されているほどです。しかしにんにくを食べた後、料理をした後の、口や手、体から発する強烈なにんにく臭は女性のみならず誰もが気になり、周囲の人に不快感を与えてしまいます。そこで、にんにくのニオイの原因を理解し、即効性のあるニオイ消しの対策法をご紹介いたします。ぜひ参考にしてくださいね。
2017年09月27日更新
記事の目次
[1]にんにくのニオイの原因は?
八百屋に並んでいるにんにくそのものには、強烈なニオイは発していないですよね。しかし、にんにくを食べたり調理をすると臭くなります。にんにくの弱点は、独特のあのニオイ…なぜ臭くなるのでしょうか。
にんにくのニオイ成分とは
にんにくの中には薬効成分である「アリイン」と「メチイン」と呼ばれる成分が含まれます。これらはは無臭でニオイはないので直接的な口臭に繋がる成分ではありません。
にんにくを潰したり切ったりして傷つくことにより、アリインが「アリナーゼ」という酵素と反応して「アリシン」に変化すると、あの独特なニオイが発生することになるのです。つまり、にんにくのニオイの原因はこの「アリシン」という化合物になります。
更に細かく砕けば砕くほど組織が傷つき、アリインとアリナーゼの結合が進み、アリシンが大量に発生します。にんにく料理は調理前に細かく潰すものが多いため大量のアリシンが発生し、強烈なニオを発することになります。
なぜにんにくを食べると臭くなるの?
アリシン自体は直接的な口臭の原因ではありません。アリシンは調理したり食べたりすることによって、変化しやすい物質であるため他の物質に変化したり、発生させたりして、最終的に体内で別の成分「アリルメチルサルフィド(AMS)」に変化します。これがにんにくを食べると臭いニオイを発する原因となっているのです。
このAMSは、食べてから1時間後くらいからだんだんと増えていくのが特徴です。そのため、にんにくを食べた直後よりも数時間後にAMSの成分が腸内で大量に作られ、悪臭を放ちます。
また、AMSは体内で分解されたり消えてしまうことがなく、尿や血液中にそのままの形で入り込みます。そのためにんにくを食べた後は、肺から呼気として吐く息が長時間にんにく臭を感じることになります。
にんにくを食べた後の口臭は、この「アリルメチルサルフィド(AMS)」という悪臭成分が原因であり、口臭を予防するにはAMSをこれ以上体内に増やさないようにすることが大切になります。
にんにくのニオイは体臭の原因にも
この悪臭成分は体内に取り込まれると、分解されないまま体臭として排出されてしまいます。皮膚の場合は皮膚表面や汗腺から、肺の場合は呼気から悪臭が放たれるため、からだ全体がにおう原因にもなるのです。
つまり、ニンニク臭の発生源は以下の3つに分類されます。
- 口臭→にんにくを食べる…口の中にニンニクのニオイ成分が残る
- 体臭→にんにくを腸で吸収…血液を通って身体全体へ
- 口臭→にんにくを腸で吸収…血液を通って肺へ
にんにくのニオイは何時間続く?
まず、口臭と体臭とではニオイの持続時間が異なります。口臭は約3時間ほどでなくなると言われています。しかし呼気や汗などの体臭(にんにく臭)は、消化吸収された成分が血液中を巡っているものになるので、そう早くは消えるものではありません。
にんにくを食べた量や代謝によって異なりますが、スプーン一杯のにんにくの臭いを消すのに約16時間かかるということが実験的に検証されています。更ににんにくのニオイ成分「アリシン」が体内から完全になくなるのは、48時間後とも言われています。
[2]にんにくのニオイ消しに即効性のある対策は?
にんにくの口臭原因の成分となる「アリルメチルサルフィド(AMS)」は、体内や血液中に取り込まれることがわかりましたね。ニオイ成分が全身を駆け巡ることになるので、それを消すには成分を分解して排出する、ということが必要になります。
体内で一度消化吸収されると、にんにく臭をすぐに消すことは難しくなるでしょう。口の中を一時的にきれいにしても、肺の中、胃腸の中から発せられる呼気や体臭が臭うので、「あなた自身」から発するニオイは臭いままなのです。
ニオイ予防としては「アリルメチルサルフィド(AMS)」をこれ以上増やさないようにすること。ニオイを消すポイントは、食前、食中、食後に対処をすることです。それぞれの効果的な対策方法を見ていきましょう。
にんにくのニオイを和らげるには加熱調理がポイント
にんにくのニオイを消す方法で一番簡単な方法は、にんにくを丸ごと加熱することです。これは、加熱することでにんにくのニオイ成分の「アリシン」が産生しなくなるためです。前にもご説明したように、にんにくは傷つけることで独特なニオイ成分を発生することになるので、傷つけることなく「丸ごと」加熱することがポイントです。
ここでの「丸ごと」とは、球根のような状態の丸ごとではなく、”その中のひとかけら丸ごと”という意味です。にんにくを生でカットすることなく、丸ごと焼いたり蒸したりしてもよいので、それから調理してみましょう。
食前には牛乳が効果的
牛乳のタンパク質にはにんにくニオイ成分の「アリシン」のニオイを抑制する働きがあります。更に食前に牛乳を飲むことで消化器官の粘膜を貼り、この牛乳の膜がにんにくのニオイ成分の吸収を抑制してくれます。
体内に入り込んだ臭い成分が呼気となって発生する前に予防することが大切になるため、にんにくを食べる前に牛乳を飲んでみることをおすすめします。
食事中にできる効果的なニオイ消し対策
・パセリを食べる
抗酸化成分として有名なポリフェノールですが、消臭効果も期待されています。料理の盛り付けの飾りに頻繁に使用されるパセリには、にんにくのニオイ成分を分解する作用を持つ「アルファーピレン」を含んでいます。食事中はつい残してしまいがちなパセリですが実はにんにく臭をやっつける働きがあるのです。
・肉、魚と一緒に食べる
にんにくがもともと持っている「アイリン」という薬効成分が、ニオイの原因「アリシン」に変化する際、タンパク質、脂質、糖質、ビタミン、カルシウムなどと結合することでアリシンを包み込み、ニオイを軽減させる作用が働きます。
肉や魚料理はにんにくと非常に相性もよいので、安心して一緒に摂取しましょう。更に、肉や魚料理に、レモン、春菊、しょうがなど防臭効果のあるものを加えて調理すると効果的です。
・酢
酢はにんにく臭の原因となる成分の一つである酵素の働きを抑制する力があります。サラダやマリネなど酢を使用した料理と一緒に摂取することで、ニオイの発生をおさめてくれます。
食後にできるに効果的なニオイ消し対策
・リンゴを食べる
リンゴには消臭作用があるポリフェノールや酵素が含まれています。それに加えリンゴ酸は、にんにく臭のもととなる「アリシン」を分解する効果があり、果物の中で一番効果的とされています。特にリンゴの皮の部分には多くのポリフェノールが含まれているので、皮ごと食べるようにしましょう。
料理を食べた後のデザートとして、リンゴを一切れ食べるだけでも、口の中がさっぱりし、時間が経過してからの口臭も全然変わってくることかと思います。緊急の場合は、リンゴジュースでも効果的です。
・お茶を飲む
お茶に含まれるカテキンには強力な殺菌、消臭効果があるとされています。外食後にもすぐに手に入るものですので、お手軽に消臭できるのも嬉しいですね。更に「青汁」はそのカテキン成分が通常の緑茶の約5倍以上含まれていると言われており、即効性が期待されます。
・ブレスケアを使う
コンビニなどで売られている口臭を消すブレスケアは、歯磨きやガムなど一時的な口臭ケアとは違い直接胃に働きかけるものになるため、効果的です。しかし、にんにくの強烈なニオイ消しにはやや効果が足りない感じもあります。
・歯磨きをする、洗浄液を使う
一時的な消臭にはなりますが、即効性のある方法です。
・ガムを噛む
ミントガムやミント飴、タブレットを食べることは、一時的な対策になりますが、ガムを噛み続けている限りニオイは誤魔化せるので、即効性がある対策と言えます。
・代謝を早める
即効性はないのですが、代謝を早め、にんにくのニオイ成分を体外へ排出するスピードを早める方法です。運動をしたりサウナや半身浴などをしてたくさん汗をかき、ニオイ成分を排出します。汗をかいた後は、必ずシャワーでニオイを洗い流しましょう。
・水をたっぷり飲む
汗をかくことと同様、ニオイ成分を体外へ排出する対策として、水をたくさん飲み尿と一緒に外へ出すことです。
手についたにんにくのニオイを消す方法は
にんにくを調理した後の手についたにんにく臭は、洗っても洗ってもなかなかとれませんよね。そのまま外出したり、人に会うことになったり、そのニオイをすぐに消したい!という場合におすすめのニオイの消し方法をご紹介します。ぜひ、お試しくださいね。
- ステンレスに触れる
- オレンジやみかん、レモンなど柑橘系の皮や果汁をすりこんで手を洗う
- お茶の出がらしで洗う
- 酢を入れた水に手を浸して洗う
[3]ニオイ対策をして栄養満点のにんにくを食べよう
いかがでしたでしょうか。にんにくは、がん予防、滋養強壮、アンチエイジング、疲労回復、かぜ予防、冷え性改善など様々な効果のある優秀な食材です。更ににんにくを少し加えるだけで、料理が何倍にも美味しくなる魅力的な食材でもあります。
しかし、にんにくを食べた後の強烈なニオイは、周囲の人に不快感を与えてしまうもの。にんにくを食べると臭くなる原因成分を理解すると、それに対してどのような対策が効果的なのか見えてきたかと思います。食前、食中、食後のそれぞれの口臭予防やどれも実践しやすいものばかりですので、是非お試しいただき、にんにく料理を思いっきり楽しんでくださいね。